天涯孤独となった主人公、陽太郎は剣道の試合で知り合った天使ヒカル(あまつか・ひかる)に連れられ、
0歳から19歳まで1歳違いの姉妹19人+ママの家族の一員として迎えられる・・・
ある意味存在自体がイロモノなシリーズの第6巻。
だがちょっと待ってほしい!
逆に”日常モノ”で、ここまで設定にリアリティーの無い作品って他にあるだろうか?
魔法も宇宙人も超能力も異世界も奇跡も事件もロボもタイムパラドックスも無く、
現実世界の最果てに待ち構える”異空間”を
ここまで鮮やかに描ききっている小説は他にあるだろうか!?
と。
”19人姉妹”というトンデモ設定を現実に繋ぎ止めているのは
何といっても作者、公野櫻子先生の入念な取材と描写力にあると思う。
天使家に引き取られる前の陽太郎の貧乏生活の描写に出てくる、
厚揚げの入ったカレーとか、煮詰めた砂糖水のカキ氷とか、
妙に生々しいし、
冒頭の、三女・春歌が縁日の夜に迫ってくる場面では
熱帯夜のムっとした空気の壁が目の前に迫ってくるような感覚に襲われたし。
ライトノベルらしく、砕けた表現が多いので見くびってしまうけれど、
公野櫻子先生の筆力はホンモノ。
勢いだけで書いてるわけじゃないってのは間違いないです!
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